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地位協定改定へ意欲新た／韓国視察の大学生
米軍事故現場に無念さ／沖縄の基地問題に関心

　米韓地位協定の改定を求める市民運動を現地で視察した県内の大学生五人が二日、帰沖した。米軍装甲車にれき殺された女子中学生の遺族らと面談、韓国の学生と意見交換会したほか、米軍の射爆場を見学。大学生は「韓国と連帯し、沖縄で地位協定を改定する具体的な動きを始めたい」と意欲に燃えている。

　一行は二十八日から三日間にわたり、イラク攻撃に反対するキャンドル集会や沖韓学生交流会、ソウルの南西六十キロにあり、大規模な米軍射爆場に接する漁村、梅香里（メヒャンニ）を訪れた。

　昨年六月に装甲車にれき殺された女子中学生二人の父親は訪問団に無念を語った。「駐留米軍が韓国の法律を守らないのは不平等だ」。

　大学生に同行した米軍人軍属による事件被害者の会の海老原大祐代表は、「両国の被害者同士で協力していこう」と呼び掛けた。遺族は「まだ何をしていいのか分らないが、共感できる。力を合わせてやっていこう」と応じた。

　女子中学生の祈念碑と事故現場を訪れた沖縄国際大学二年生の下山萌子さん（２０）は「事故現場は車も通ると危ないほどの狭い道で、なぜ米兵は少女に気が付かなかったのか、無念の気持ちがわき上がった」と振り返る。

　射爆場では標的となった小さな島が消滅するほど激しい爆撃訓練がある。沖縄大学四年生の知名定作さん（２１）は「沖縄以上に演習が生活に隣接している。誤爆もあるという住民の話に驚いた」と話し、沖縄と同じく韓国でも軍事優先の現状があることを実感した。

　また、ソウルでキャンドルをともしてのイラク攻撃反対集会で、韓国の学生は「被害者同士で連帯していきたい。反日感情はあるけど、市民の良心を信じている」と、沖縄の米軍基地問題にも関心を示した。

沖縄から反戦の寄せ書き

　イラク戦争への抗議行動を行った若者集団「ＧＯＹＡ（ゴヤ）」の藤原奈央子さん（２２）＝糸満市＝と、吉田永子さん（２２）＝沖縄市＝が、戦争に反対する２００人以上の平和のメッセージが書かれた大きな布の寄せ書きを、若者らが中心となった大阪の反戦団体に近く送り、全国に沖縄からの反戦をアピールする。２人が１日、琉球新報社を訪れ、寄せ書きを披露した。

　「ＧＯＹＡ」は３月２３日から２９日まで宜野湾市や北谷町、那覇市などの街頭で呼び掛け、寄せ書きへの書き込みを募った。寄せ書きには「イラクの子供たちは私たちの子供たちです」など小学生から戦争体験者、観光客までがメッセージを寄せた。

　２人は、従来の平和運動への「敷居の高さ」を感じ、「何かできないか」と考え、だれにでもできる反戦運動を目指して、この寄せ書きに取り組んだ。藤原さんは「反戦にはいろんな形があっていい。どのような形であれ、関心を持ち続けることが重要だ」と話した。

写真説明：２００人以上がイラク戦争反対の思いを込めて書いた寄せ書き＝１日、琉球新報社

広域連合がスタート／介護保険

　県内三十四市町村でつくる県介護保険広域連合（連合長・宮城篤実嘉手納町長）が一日、業務を始めた。宮古、八重山郡、西原町以外の全町村と豊見城市で構成、保険財政の安定化や介護サービスの平準化を目的に昨年八月に結成された。全国第二の規模となっている。同日、北谷町の本部事務所で行われた辞令交付式で宮城連合長は「構成市町村の住民が等しく介護保険の恩恵を受けられるよう、一丸となって努力してほしい」と激励した。

　同連合は、全国で初めて、六十五歳以上が納める保険料を（１）三千二百十七円（２）四千三百三十三円（３）五千二百二十五円の三ランクに設定している。

　職員は、各市町村からの出向や嘱託ら計百十一人。老人施設へ出かけ、不安や苦情相談に乗る「介護相談員」、介護報酬明細書や介護サービス計画（ケアプラン）の専任の点検員を配置しているのが特徴だ。

「ジュゴン保護して」／東京の高校生が署名提出

　名護市辺野古への基地建設に反対し、ジュゴン保護を求めている東京都内の高校生ら五人が三月三十一日、名護市役所を訪れ、岸本建男市長あてに三百七十六人分の署名を提出した。

　代表の宝谷進君（１７）＝都立田園調布高校二年＝は、建設予定地で行われるボーリング調査について「環境アセスが終わっていない段階で、環境を荒らし、建設の第一段階になるような調査をなぜやるのか」などと質問。

　対応した末松文信助役は「代替施設の基本計画で、環境アセスの一環として実施されると確認されている。事業者は国であり答える立場にない」と述べた。

嘉手納所属のＦ１５数機が参戦／イラク戦争

　米空軍嘉手納基地のＦ１５戦闘機が、イラク戦争に参加していることが１日、分かった。

　嘉手納基地報道部は現地で実施している「イラクの自由作戦」への参加を認めた。

　参加しているのはイラク南部飛行禁止空域の監視活動作戦「サザンウオッチ（南方監視）」に派遣されていた同基地の部隊。第七航空遠征軍に加わり、空対空の制空任務に就いている。参加規模は「数機」とだけ答えている。

　在沖米海兵隊報道部は先月末、沖縄の海兵隊の「限られた人数」が中東に派遣されていることを認めたが、在沖米軍がイラク戦争の作戦に直接参加していることが判明したのは初めて。同時にアフガニスタンで実施されている「不朽の自由作戦」にも三カ月以上前から同基地の構成員が派遣されていることも明らかにした。

　嘉手納基地報道部は「Ｆ１５の数機がイラクの自由作戦に参加し、中央軍司令部の司令下に置かれている。空対空の作戦に参加し、圧倒的な航空能力で制空権を維持しているため、イラク軍の航空機は一度も滑走路から飛ぶことができていない」と説明している。

イラク戦争の即時中止を／１フィート運動の会が緊急アピール

　５８年前の沖縄戦で米軍が沖縄本島に初上陸した１日午前、沖縄戦記録フィルム１フィート運動の会の福地曠昭副代表、中村文子事務局長らが県庁で緊急会見し、こう着するイラク戦争の即時中止などを求めるアピールを発表した。

　アピールは「イラクの戦場はまさに沖縄戦の体験と重ね合わせ、沖縄の私たちは胸が締め付けられる思い」とイラク戦争反対を強く訴えている。

　福地副代表は「イラク戦争は沖縄戦の再現になる。われわれは米軍撤退を言う資格があるし、責務がある」と反戦の思いを切々と語り、中村事務局長は「戦争で平和がつくれないことは、今も（全国の）米軍基地の７５％が集中する沖縄を見れば分かる」と指摘し、戦争中止を強く訴えた。

　今年、創設２０周年を迎える１フィート運動の会は、毎年４月１日から沖縄戦終結の日とされる６月２３日まで、フィルム上映会などを通して命の大事さと平和の尊さを伝える活動を続けている。イラク戦争が激化の一途をたどる今年は、反戦行動も併せて展開。同日午後２時から那覇市の久茂地児童館で上映会と講演会を開いた。

写真説明：イラク戦争の即時中止を訴えるアピールを発表した沖縄戦記録フィルム１フィート運動の会＝１日午前、県庁

攻撃中止訴え座り込み／平和市民連

　米英軍のイラク攻撃への抗議活動を続けている平和市民連絡会は三十一日、那覇市の県庁前広場で二十四時間座り込み行動を始めた。六日までの七日間、市民らと交流しながら攻撃中止を訴えていく。

　当山栄事務局長代理は「攻撃はこれから本格化し、何十万人もの人々が殺され、傷ついていく。国際法を無視した攻撃で侵略戦争そのものだ。国家の殺人行為を許すことはできない」と訴えた。

　一月にイラクを訪問した島田正博さんは「小泉首相は、米国に追随するだけで日本の主体的な外交を破棄している」と強く批判した。

　テント内ではイラクの写真展などを行うほか、米国ホワイトハウスへ電子メールで、小泉首相にはファクスでそれぞれ抗議文を送信するよう呼びかけていく。