１５日にイラク攻撃反対県民大会／市民団体など計画

　沖縄から米軍のイラク攻撃に反対の声を上げようと、市民団体や労働組合、政治団体による抗議集会や座り込みが３月中旬にかけて県内で集中して取り組まれる。

　５日夕には「ＳＴＯＰイラク攻撃！戦争を許さない沖縄県民大会―ＷＯＲＬＤ　ＰＥＡＣＥ　ＮＯＷ　ｉｎ　ＯＫＩＮＡＷＡ」（同実行委員会主催）の実行委員会結成集会が那覇市の自治会館で開かれ、１５日午後３時から那覇市の与儀公園で１万人規模の集会を開くことを決めた。

　県民大会の実行委員会は、市民団体、労働組合、政党など１５団体。結成集会では、「世界の市民と連帯し、米英のイラク攻撃に反対しよう」「イラク民衆を殺りくする米軍の沖縄基地からの出撃を止めよう」などのスローガンの下で多くの県民の参加を呼び掛けることを決めた。共同代表の１人、山内徳信さん（基地の県内移設に反対する県民会議共同代表）が「戦争反対の取り組みを基地の島沖縄で成功させよう」と連帯のあいさつをした。

　一方、共産党県委は５日昼、県民広場前で署名全県キャラバンの出発式を行った。今月末まで全市町村を宣伝カーで回り、イラク反対の署名を呼び掛ける。出発式で伊佐真市委員長代理は、「沖縄からイラク攻撃をやめさせるため奮闘しよう」と通行人にマイクで呼び掛けた。

　連合沖縄は１１日早朝から百人規模の座り込み行動を県庁前で展開する。同午後６時には、千人規模の武力攻撃反対決起集会を開き、イラク攻撃反対のメッセージをアピールする。中部地区労も８日、沖縄市で抗議集会を予定している。

写真説明：１万人規模を予定しているイラク攻撃に反対する県民大会の実行委員会結成集会＝５日夕、那覇市の自治会館

訓練強行に抗議決議／レンジ１０で名護市議会

　名護市議会（宮城義房議長）は四日に開会した三月定例会で、同市が廃止や移転を求めてきたキャンプ・シュワブ「レンジ１０」で米軍がＭ２５０口径重機関銃の実弾射撃訓練を強行再開したことについて、抗議決議と意見書を全会一致で可決した。レンジ１０に関する抗議決議は、今回で五回目。

　また、久辺地域の住民が、被害や不安を訴えているシュワブ内の爆発物処理施設の改善を求める決議と意見書も全会一致で可決した。

　在沖米軍などに対し六日、要請行動する。

後援会幹部ら市長の関与認める／宜野湾違法献金

　宜野湾市長選に絡む違法献金事件で、先に逮捕、起訴された後援会の幹部らが、宜野湾市長の比嘉盛光容疑者（６４）＝宜野湾市赤道＝の事件への関与を認める供述をしていることが５日、県警特別捜査本部（本部長・稲嶺勇刑事部長）の調べで分かった。比嘉容疑者は、容疑を否認しており、同本部は６日午後、公職選挙法と政治資金規正法違反の疑いで同容疑者を送検する。

　宜野湾市長の比嘉容疑者から市長辞職願が提出されたことを受け、宜野湾市議会（伊佐敏男議長）は５日午後、議会運営委員会（名城宏委員長）を開き、６日午前１０時から本会議を開会し、辞職への同意を諮ることを決めた。過半数の同意を得られれば、６日付の辞職となる。全会一致で認められる見込みだ。

　県警の捜査本部は、５日、比嘉容疑者の自宅や市役所など、関係先数カ所を家宅捜索し、市長日程など多数の資料を押収した。

　これまでの捜査本部の調べでは比嘉容疑者は市長選の数カ月前から、業者に寄付を依頼する会合に数回にわたって出席。会合は公職選挙法違反で逮捕された県商工会連合会と市商工会の前会長、津波保光容疑者（６９）が代表を務めていた建設会社でも開かれていたことが分かっている。

　比嘉容疑者は「（容疑事実が）間違っている」として、全面的に容疑を否認しているという。

　一方、６日に開かれる本会議で辞職が認められれば、伊佐議長はただちに市選挙管理委員会に市長の欠員を通知する。これを受け、市選管は７日にも委員会を開催し、今後の選挙日程について協議する。全国統一地方選が行われる４月２７日（４月２０日告示）になる見込み。

　６日は市議会の常任委員会に当たり、本会議は休会の予定だった。議運では、辞職願で５日付の辞職を求めている本人の意向を尊重し「速やかに対応すべきだ」などの意見が上がり、日程を変更して本会議を開くことを決めた。

写真説明：家宅捜索を終え押収物を納めた段ボール箱を運ぶ捜査員＝５日午後２時４５分ごろ、宜野湾市役所

沖縄靖国訴訟／原告「参拝は公務」

　小泉純一郎首相の靖国神社参拝は信教の自由や政教分離の原則に反し違憲で、参拝で精神的苦痛を受けたとして、遺族や宗教者ら八十一人が首相と国を相手に、一人十万円の損害賠償を求めた訴訟の第二回口頭弁論が五日、那覇地裁（清水節裁判長）であった。

　原告側は、首相が公用車で参拝したり、公約に掲げていることなどを挙げ「首相は評価と効果を引き出す目的意識に基づいて参拝している。客観的に見ても公務であるのは明らかだ」と指摘。参拝が職務行為にあたるとした。

　これに対し、国側は「警備上や緊急時の問題があり公用車の利用が私人の立場を離れたとはいえない。参拝は閣議決定された行事でなく、玉ぐし料も私費で賄われている」と反論した。

　次回の弁論は六月十一日と七月十六日に開かれる。国側は「原告は早急に主張を尽くしてほしい」と早期結審を要望。原告側は「原告八十一人各自の戦争史を訴えていきたい」と法廷で被害実態を展開していく考えを示した。

　原告弁護団の三宅俊司弁護士は「首相は公式参拝を望む人にも、反対する人にもいいように立場を使い分けている。国も首相も裁判の実体に入らず形式論に終始している」と批判した。

名護市議会、レンジ１０廃止特別委を設置

　【名護】名護市議会（宮城義房議長）３月定例会は４日午後に開会し、米軍がキャンプ・シュワブ訓練場「レンジ１０」でのＭ２重機関銃実弾射撃訓練を強行再開したことに抗議し、訓練の即時中止と本土移転を求める決議、意見書両案を全会一致で可決した。あて先は決議が駐日米国大使、在沖米国総領事、在沖米軍四軍調整官、意見書は首相、外相ら６人。

　また、レンジ１０の廃止に向け「レンジ１０対策特別委員会」を新設。委員長に与党の我喜屋宗弘氏（市政会）、副委員長に野党の宮城康博氏（無所属）を選出した。

　レンジ１０に関する抗議決議は２００２年７月の被弾事件以降５回目で、本土移転を求めたのは２回目となる。シュワブ内で実施される爆発物処理問題で「市民生活の安全を脅かす米軍の爆発物処理に抗議する決議案」を全会一致で可決。処理に関する規則の公表や騒音測定器の常設、市議会の立ち入り調査を求めた。

米揚陸艦３隻出港／ホワイトビーチ

　勝連町のホワイトビーチに寄港していた強襲揚陸艦「エセックス」（四○、五三二トン）など三隻の米海軍揚陸艦が四日午前、相次いで出港した。フィリピンでの比国軍との対テロ合同軍事演習に参加すると見られる。

「出撃基地化」と平和団体が批判／エセックス出港

　フィリピンでの米比合同軍事演習参加のため、勝連町のホワイトビーチから強襲揚陸艦エセックス（四〇、五三二トン）とドック型輸送揚陸艦ジュノー（一六、五○○トン）、ドック型揚陸艦フォートマクヘンリー（一一、一二五トン）が四日午前、出港した。（１面参照）

　平和運動センターの新垣重雄副議長は、「世界情勢が緊張する中、沖縄が出撃基地となっている現状を示す。キャンプ・シュワブ『レンジ１０』での実弾訓練を再開した問題と同様、米軍は平和を求める県民の心情を理解していない」と批判した。

・晋くんもこの日辺野古から、揚陸艦が通るのを見たそうです。

「議会、市民軽視だ」名護市や県が怒り
米軍面会拒否／レンジ１０廃止問題

　「米軍の誠意が感じられない」「議会と市民軽視だ」。三日、名護市のキャンプ・シュワブ「レンジ１０」でのＭ２５０口径重機関銃訓練の再開に抗議した県議会決議の受け取りを在日米軍司令部（横田基地、東京都）が拒否した問題で名護市や県からは反発の声が上がった。

　被弾事件が起こった数久田区出身の島袋吉和市議は「決議の受け取り拒否なんて初めて。信じられない」と驚き、「米軍の誠意が感じられない」と憤った。決議の受け取りを拒否した米軍側が、四日に受け取ると伝えたことには、「県議会決議は県民の総意。しっかり受け止めて事件の原因を究明し、廃止や県外移転を求めたい」と述べた。

　市議会軍事基地等対策特別委員会の渡久地武豊委員長も「会わないということは、話し合いの窓口さえ持たないということ。話をする必要がないという表現だ。議会軽視、市民軽視だ」と厳しく指摘。

　県の新垣良光知事公室長は「県議会は県民の代表。米軍は事件・事故のたびに安全性を強調するが後を絶たない。県民の不安を無視することは許されない。要請を受けることは当然だ」と話し、県民の声を十分に聞くことの必要性を強調した。

　一方、名護市基地対策室は「県からの連絡はないが、米軍が面会を拒否するとは遺憾なこと」とした上で「米軍がどのような対応をするか、今後の推移を見極めたい」と慎重な姿勢をみせた。

イラク攻撃に反対決議／宜野湾市議会

　開会中の宜野湾市議会（伊佐敏男議長）は三日の本会議で、米国のイラク攻撃に反対し、国際的な世論を踏まえて日本政府に平和的な解決への外交努力を求める意見書を賛成多数で可決した。

　意見書は、米国の武力攻撃が武力攻撃禁止の原則と民族自決権を確立した国際法に違反すると指摘。戦争が始まれば、米軍基地が集中する沖縄が戦争に巻き込まれる可能性が高いとしている。小泉純一郎首相や衆参両院議長らへ送付する。